Convergence Lab. 株式会社 代表取締役CEOの木村優志です。

DXが必要なのはわかるけれど、どうすればいいのかわからない、という人は多いと思います。今回は、DXを実現するための手順について『DXレポート』をもとにまとめていきます。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

 

DX、どう実現する?

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しないと、2025年には日本社会全体で最大で年間12兆円の経済損失が発生すると言われます。この「2025年の崖」の話をご存知の方は多いと思います。

DXは遠い企業の問題ではありません。みなさんの会社の中にある自分事の問題です。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)による「企業IT動向調査報告書 2020」によれば、依然として、IT予算の80%が現行ビジネスの維持・運営のためのランザビジネス予算として占められています。ビジネス の新しい施策展開のための、ヴァリューアップ予算は20%程度となっています。事業を強化するための予算がなかなか取れない現状がここからもわかります。

 図: IT予算の配分 (出典:日本情報システム・ユーザー協会(JUAS) 「企業IT動向調査報告書 2020」)

 

「DXが必要な理由はわかっている、でも、具体的にどうすればいいんだ?」 

という声が聞こえてきそうです。以下で、「DXレポート」にしたがって、DX推進の方法を見ていきましょう。

 DX推進の手順

DX推進の手順は大きく2つに分かれます。それは、1.「 DX推進指標による現状の見える化」、2.「 DX推進の実行」です。

  1.  DX推進指標による見える化
  2. DX推進の実行

DX推進指標による現状の見える化

経済産業省は「「DX推進指標」とそのガイダンス」」を策定しています。DX推進指標は、現状のDXの課題を炙り出すための指標でアンケート方式によって測定されます。

アンケートフォーマットは、経済産業省の「「DX 推進における取締役会の実効性評価項目」について」から入手できます。具体的な内容はそちらを参考にしてください。また、暫定版ではありますが、会員登録後に利用できるアンケート入力を助けるサイトが、「DX推進指標 自己診断結果入力サイト」がIPAに存在します。

DX推進指標は以下のような項目からなっています(抜粋、説明を簡素化しています)。すべての項目が、「当社の取締役会は、〇〇か」となっており、DXが経営課題であることが明確になっています。

  • 《取締役の選任》
    • DX担当の取締役がいるか?
  • 《ビジョンの共有》
    • 取締役会内でビジョンの共有がされているか?
  • 《経営トップのコミットメント》
    • 取締役会は経営陣のDX取り組みを適切に監督しているか?
  • 《DX に求められるマインドセット、企業文化》
    • 取締役会は失敗から学ぶ仕組みを構築しているか?
  • 《投資意思決定、予算配分
    • 取締役会はDX予算を総合的に配分しているか?
  • 《推進・サポート体制》
    • 取締役会やDX推進部署の役割は明確か?必要な権限はあるか?
  • 《人材育成・確保》
    • 取締役会は、DX 推進に必要な人材の育成・確保に向けた取組を監督しているか?
  • 《戦略とロードマップ》
    • 取締役会は、DX戦略とロードマップを適切に議論しているか?
  • 《IT システムに求められる要素》
    • 取締役会は、DX推進に必要なITシステムを適切に監督しているか?
  • 《IT システムの技術的負債》
    • 取締役会は、ITの技術的負債を監督しているか?
  • 《IT 資産の仕分けとロードマップ》
    • 取締役会には、IT資産の仕分けと刷新のロードマップに向けた合意があるか?
  • 《ガバナンス・体制》
    • 取締役会は、DXに向けたガバナンス・体制を適切に監督しているか?
  • 《IT 投資の評価》
    • 取締役会は、IT投資をビジネスがうまくいったかどうかで評価しているか?
  • 《経営陣の評価》
    • 取締役会は、経営陣の指名や評価にDXへの取り組みを重要な評価指標としているか?
  • 《ステークホルダーへの情報開示》
    • 取締役会は、DX推進についてステークホルダーに適切な情報開示を行っているか?
  • 当社において、DX を有効かつ効率的に推進していく上で、課題や障害となっているも のがあればお書きください。(自由記入)
  • 課題や障害がある場合、それらを乗り越えていくために、取締役会がどのような取組を するべきか、具体的なご提案・工夫などがあればお書きください。(自由記入)

見えるかにより、弱点が明らかとなれば、その部分を強化していく必要がります。

DX を実現する上で基盤となる IT システムの構築

課題を見えるかした後は、実際のIT資産の現状を分析、仕分けする必要があります。「DXレポート」では、以下のような4象限にIT資産を分類し、それぞれに別の対応をするように推奨しています。

  • 頻繁に変更が発生する機能
    • クラウド上で再構築
  • 変更されたり、新たに必要な機能
    • 適宜クラウドへ追加
  • 肥大化したシステムの中の不要な機能
    • 廃棄
  • あまり更新が発生しない機能
    • 塩漬け

ただし、「クラウド上で再構築」といっても、ただ単に現状のシステムをクラウド上に配置すればいいわけではありません。適切に機能を分離し、マイクロサービス(単一の機能を持ったAPIを作り、各を連携させる)として作り直す必要があります。マイクロサービスとなっていれば、リプレイスの際もその部分だけをリプレイスすれば良いため、フルリプレイスによる大規模な予算発生を予防できます。

繰り返しますが、DXが経営課題であることを忘れてはなりません。IT資産の刷新には経営陣がプロジェクトを管理し、責任を持つ必要があります。

図:情報資産仕分けイメージ(出典:デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会「DXレポート」)

 

まとめ

今回は、DXを実現するための手順について『DXレポート』をもとにまとめました。DX推進指標による見える化とIT資産の分析・仕分けが必要であることを述べています。また、DXが経営課題であることを何度も強調しました。DXの推進は経営陣の仕事です。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

メルマガ登録

よろしければ、メールマガジンへのご登録をお願いいたします。

 

お問い合わせ

Related Articles/Posts